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機関投資家が注力 持続的発展目指す「ESG投資」の問題点とは? - 日経ビジネスオンライン

ESG投資とは、環境・社会・企業統治の要素を重視した投資戦略だ。近年、よく耳にするようになったSDGs(持続可能な開発目標)との関連性は強く、持続的発展可能な社会を実現するための手段として注目が集まっている。そんなESG投資ではあるが、課題も多いのが実情だ。

(写真:PIXTA)

 海洋問題やジェンダー問題など環境・社会に関する世間の注目が高まるきょうこのごろ。今では一般的になりつつある「SDGs」とともに「ESG」や「ESG投資」という言葉を目にすることはないだろうか。

 ESGは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取った言葉だ。環境の観点では、生物多様性や気候変動、社会の観点では、ダイバーシティー(多様性)や貧困、そして企業統治の観点では株主保護や法令遵守などの個別のイシューに関連する言葉だ。環境・社会・企業統治を重視する対象に投資を行うことを「ESG投資」と呼ぶ。投資対象となるのは、企業の株式や社債、国や地方自治体が発行する国債や地方債などだ。

 ESG投資の歴史はまだ浅く、2006年に国連が支援する「PRI(投資責任原則)」という国際的な投資家イニシアチブが立ち上がったことが誕生のきっかけとなった。PRIはESG投資に関して投資家が守るべき6つの原則から成り立っており、環境、社会、企業統治の要素が資産運用に果たす役割の重要性を啓発し、ESG投資を推奨することを目的としている。この原稿の執筆時(2021年6月現在)には4000を超える機関投資家が賛同を表明(署名を公開)しており、賛同者の運用規模は100兆ドルを超える。まだ15年の歴史しかないが、日本においても保険会社や投資顧問会社をはじめとする90以上もの機関投資家が賛同者として登録されている。

 保険会社や企業年金運用者などは、ESG投資を資産運用の中核として据え、投資プロセスにおいてESGの観点から組み入れを行っている。公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運営独立行政法人)も同様にESG投資に力を入れており、ESGに注力する企業に焦点を当てた「ESG指数」の選定とそれに基づく運用をするだけでなく、ESG関連の国際的な調査・研究へのサポートも行っている。

ESG投資とSDGsとの関連性とは

 ESGと関連する言葉として、SDGsが存在する。こちらの言葉も近年よく耳にする機会が増えたが、SDGsは2015年の国連総会にて採択された17個の開発目標の総称だ。

 環境問題の解決や、貧困の撲滅、ジェンダー平等といった、世界の持続的発展に資する開発目標を掲げている。両者ともに似通った概念であるため、ここで簡単にその違いをまとめておくと、ESG投資は機関投資家が主体である一方、SDGsの場合は企業や公共団体が主体だ。

 つまり、投資対象である企業や公共団体がSDGsの観点で活動を行い、機関投資家がESGの観点で、SDGsを重視する組織に投資をするということだ。SDGsを推進する企業や国をサポートするための投資がESG投資であると言い換えることも可能だ。

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