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【人材ビジネス交差点】自転車通勤するオランダ/ランスタッド㈱ 執行役員 青木 秀登 - 労働新聞社

ランスタッド㈱ 執行役員 青木 秀登 氏

 8年前にオランダ政府招聘の労働市場視察の機会をもらった。オランダでは大都市でも夜7時にはほとんどの店のシャッターが閉まり、夕食は家族そろって食べるもの。コンビニも見当たらない。移り住んだ日本人からは、慣れてしまえば別に不便を感じないと返された。タイムカードで時間管理を行うのは日系企業ぐらいで、オランダでは人気がないなど、現地でなければ知り得ない情報に沢山ふれることができた。

 なかでも気になったのが自転車通勤である。政府や企業が利用を後押ししていることもあり、自転車大国と言われるくらい多い。

 東京では通勤時間の平均が片道50分と説明したら、「クレイジー!」と驚かれた。自転車通勤の多いオランダ人からしてみれば当然の反応であろう。

 なぜ、こんなに差が出るのか?理由の1つに交通費がある。オランダをはじめとする多くの国では交通費の支給はない。日本のように支給される国は珍しいのだ。この交通費の自腹が、遠方まで通勤することの抑止力になる。

 しかし、それだけの理由なのだろうか?高待遇の仕事であれば交通費など気にせず、遠距離通勤するものではないのか?そんな疑問を抱きながら視察の最終日を迎えた。

 私たちにプレゼンテーションをしていた女性が、お昼に差し掛かったところで、慌ててプレゼンを切り上げ、帰り支度を始めた。あまりの慌てぶりに理由を聞いてみると、子供がランチで帰宅する時間だから急いで帰らなければならないと言う。

 しばらく話がかみ合わなかったが、オランダには学校給食がないことに気付かされた。

 毎日子供がランチを食べに学校から一旦帰宅するので、その世話をするために親も一旦帰宅せざるを得ないのだ。これでは子供がいれば必然的に家の近くに勤務しなければならず、自転車通勤が多くなるのもうなずける。

 帰国後、オランダ人のボスに学校給食の有無など日本とオランダの違いについて話をすると、興味深いことを教えてくれた。多くの子供は昼休みにサッカーがしたくて、急いでランチを済ませて学校に戻ってくるという。そして、“往復ダッシュ”が含まれたサッカーの昼練習を毎日しているから、オランダはサッカー強豪国なのだと笑わせてくれた。

 それぞれの国に歴史や文化があり、いろいろな理由で創り上げられた今の仕組みがある。

 一部に自転車通勤せざるを得ない環境を持つオランダと、充実した環境により遠距離通勤可能な日本。どちらの方が幸せなのかは分からないが、最近は健康のためにも自転車通勤に憧れている。

筆者:ランスタッド㈱ 執行役員 青木 秀登

【公式WEBサイトはこちら】
https://www.randstad.co.jp/

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