Search This Blog

ケースメソッドを通じて、私たちは何を学べるのか 実務に不可欠な7つのメタスキル | HBR.org翻訳マネジメント記事(1/4) - DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

Klaus Vedfelt/Getty Images

ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)がケーススタディを用いる講義を始めたのは1921年のこと。以来100年にわたり、数多くのケースについてさまざまなディスカッションが行われてきた。その真骨頂は、クラスメートとともに情報を分析し、意見を交換し合い、最終的な判断を下すプロセスの中で、認識力や判断力のようなメタスキル、すなわち「新しい物事をより迅速に学ぶことを可能にする一連の恒久的能力」を身につけることにある。本稿では、ビジネススクールの授業で取り扱われる知識や理論を超えて、ケースメソッドを通じて身につけることができる7つのメタスキルについて論じる。


 筆者は10年以上、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の学長を務めたが、卒業生の話を聞くことに膨大な時間を費やした。その時、会話を盛り上げるためによく質問したのが、「ハーバード大学のMBA課程で最も重要な学びは何か」である。

 卒業生の回答はまちまちだったが、一定のパターンをたどることが多かった。何らかのビジネスコンセプトに言及した卒業生はほぼ皆無で、多くは親しい友人ができたことや、クラスメートがビジネスのパートナーや人生のパートナーになった話をした。

 しかし、最もよく聞かれたのは「大きな自信」「意見を主張する能力」「人と緊密に協力して問題を解決する方法」といった個人の資質やスキルだった。では、そのような能力をどうやって身につけたのかと尋ねると、卒業生が例外なく挙げたのが「ケースメソッドの魔法」だった。

 HBSがケーススタディを用いて経営に関する講義を始めたのは1921年のことだ。HBSがケーススタディ100周年を祝福する中で、ケースメソッドの有効性について多くの論考が執筆されてきた

 筆者はその大部分に賛成だ。ケースを使うことにより、学生たちは企業経営にはどのようなジレンマが存在し、いかなる決断を迫られるのかという現実にさらされる。ケースが教えてくれるのは、組織、業界、社会といった広範なコンテクストを踏まえつつ、経営上の問題を迅速に判断することだ。ビジネスコンセプトはケースに埋め込まれていたほうが、のちのち思い出しやすい。単語を覚える時に、コンテクストの中で使われたほうが覚えやすいのと同じだ。

 ケースを用いることで、理論を実務に応用する方法と、実務から理論を導き出す方法を学ぶことができる。ケースメソッドは、批判的分析や判断、意思決定、そして行動を起こす能力を育むのである。

 HBSの卒業生がケースメソッドから学んだという幅広い能力を、的確にとらえた表現がある。それが「メタスキル」だ。実際にケースメソッドに触れたことがない人にとって、ケーススタディという教育手法を通じて得られるメタスキルの価値はわかりづらいかもしれない。

 メタスキルとは「新しい物事をより迅速に学ぶことを可能にする一連の恒久的能力」だと、教育の専門家は定義する。たとえば、親が子どもにピアノなどの楽器を習わせる時、音楽のスキル(マスターする子どももいれば、そうでない子どももいる)だけでなく、意図を持って着実に練習を重ねることで得られる恩恵も評価している。このメタスキルは、音楽を超えて多くの物を学ぶ時にも貴重な働きをする。

 ピアノの例と同様に、学生がケースメソッドから学ぶことができる7つの重要なメタスキルを紹介しよう。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( ケースメソッドを通じて、私たちは何を学べるのか 実務に不可欠な7つのメタスキル | HBR.org翻訳マネジメント記事(1/4) - DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー )
https://ift.tt/3A8sH4t


Bagikan Berita Ini

0 Response to "ケースメソッドを通じて、私たちは何を学べるのか 実務に不可欠な7つのメタスキル | HBR.org翻訳マネジメント記事(1/4) - DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー"

Post a Comment

Powered by Blogger.