Search This Blog

デジタル×価値観変容 読み解く6つのキーワード:日経ビジネス電子版 - 日経ビジネスオンライン

ベイカレント・コンサルティングが、DXのリアルとその先に迫る本シリーズ。第3弾のテーマは「デジタル時代の価値観変容」である。ビジネスの文脈に置き換えると、ヒトの価値観変容は市場の変化そのもの。その構造を知ることは中長期でも揺るがない成長ストーリーのヒントになるはずだ。

“揺り戻し”によって対極にある2つの価値観が共存

 世界中でベストセラーになった『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』や『ホモ・デウス』などの書籍で共通して語られているのが、ドラスチックな時代の変化と、それに伴うヒトの価値観変容スピードの速さだ。特に近年はヒトの価値観に大きく影響を与える事象がすさまじい速度で発生している。例えば、気候変動に代表される環境面での変化や前回の記事「10年分の体験を10分で 人間拡張が実現するメタバース変革とは」で取り上げた人間拡張に代表される技術面での変化だ。

 ヒトの価値観変容を企業活動の目線で見たとき、「市場の変化」と読み替えることができる。市場の変化を先読みした上で変化に強いビジネスを展開し続けていくことは、経営における基本中の基本だ。その一方で、VUCA(ブーカ=変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれる現代では、変化に対応することの難易度は増し続けている。

 そもそも価値観とはどのようなものなのか。それは「何に価値を認めるか」という考え方だ。ヒトが物事を判断する際のフィルターとも言える。これにより行動が規定され、ヒトの生き方が形成されていくことになる。その変容を引き起こす主たる要素は何だろうか。

 我々は「知識の咀嚼(そしゃく)」と「感情の飽和」の2つにあると考えている。ヒトは新しい情報を得ると、必ず既存の価値観でその情報を見る。この情報が持つインパクトを測り、瞬時に価値観を変容させるに値するか否かを判断する。この判断が是となると、情報が知識として咀嚼され、既存の価値観を変容させる。これを知識の咀嚼による価値観変容と呼ぶ。

 またこのとき、瞬時に咀嚼できなかった場合でも、その情報はよい感情か悪い感情のどちらかを伴った記憶としてヒトに蓄積される。これと似たような情報が再びインプットされると、再び記憶として蓄積され、累積していく。インプットされる情報が、よい感情を伴う記憶に変換されるものであった場合、これが繰り返し蓄積されると、どこかのタイミングで閾値(いきち)を超え、価値観を変容させるに至る。これが感情の飽和による価値観変容である。

(C)2022. BayCurrent Consulting, Inc.

(C)2022. BayCurrent Consulting, Inc.

[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、“デジタル”の文脈で価値観変容を捉えてみよう。デジタルが絡むテーマで、ヒトは対極にある2つの価値観を共存させることを望む事象が散見され始めている。デジタルにより「うまい・安い・速い」といった機能性や合理性、また効率といったものを急速に増幅させ、その価値の拡大・進化が行きつくところまで達すると、その逆行を志向する“揺り戻し”が発生しているのだ。この傾向は、便益に対しての「不便益」、効率に対しての「手間消費」といった言葉にも表れている。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( デジタル×価値観変容 読み解く6つのキーワード:日経ビジネス電子版 - 日経ビジネスオンライン )
https://ift.tt/DblGESR


Bagikan Berita Ini

0 Response to "デジタル×価値観変容 読み解く6つのキーワード:日経ビジネス電子版 - 日経ビジネスオンライン"

Post a Comment

Powered by Blogger.