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苦戦するTSUTAYAと何が違う? ゲオが「レンタル事業縮小」でも ... - ビジネス+IT

【連載】流通戦国時代を読み解く

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動画配信サービスの台頭によりレンタルビデオ店が街から消えつつある。これまでレンタルビデオ事業を主軸としてきた「TSUTAYA(ツタヤ)」と「GEO(ゲオ)」は大きな影響を受けているが、両者の状況はまったく異なる。どちらも、動画配信サービスの台頭を見据え、ビジネスモデルの転換を進めていたが、その結果、両者の明暗は「劣勢のTSUTAYA」と「好調のゲオ」という形ではっきり分かれてしまったようだ。レンタルビデオ事業の逆風の中、両者が進めてきた戦略の違いを解説する。

執筆:nakaja lab 代表取締役 流通アナリスト/中小企業診断士 中井彰人

執筆:nakaja lab 代表取締役 流通アナリスト/中小企業診断士 中井彰人

みずほ銀行の中小企業融資担当を経て、同行産業調査部にてアナリストとして産業動向分析に長年従事。分野は食品、流通業界。主な著作物に「図解即戦力 小売業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書」(技術評論社)、「50年に一度の大転換期を迎えるスーパーマーケット業界」、「業態盛衰の歴史が示唆するこれからの小売の方向性」(中小企業診断士)などがある。

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劣勢TSUTAYAと好調ゲオ、新事業で差が付いた2社を徹底比較する

(写真:アフロ)


レンタルビデオ業界の驚くべき減少率

 最近、近所から次々とレンタルビデオ店が消えている。たとえば、ゲオの店舗の閉店ラッシュは止まらず、TSUTAYAの場合は、大型店は「書店+カフェ」の形態としては残ったものの、郊外店はまったく別の業態になり書店としても存続できなかったようだ。

 具体的に、レンタルビデオ業界はどの程度縮小が進んでいるのだろうか。総務省統計局「サービス産業動向調査」を確認すると月次でこの業界の動向が分かるのだが、それを見ると落ち込みは酷かった(図表1、2)。

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図表1:レンタルビデオの販売額の増減率(月次前年同月比)

(出典:総務省「サービス産業動向調査」より筆者作成)


 長年、売上は減少傾向にはあったのだが、コロナ禍の2020年になって以降、急激に減少幅が大きくなり、前年比2~3割減という時期が続いたことが分かる。コロナで外出出来なくなったため、有料動画配信の普及が急速に進んだことが、DVDなどの現物の受け渡しを伴う商売にとどめを刺したようだ。
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図表2:映像ビデオソフト市場(セル、レンタル、有料動画配信)の推移

(出典:日本映像ソフト協会「映像ソフト市場規模及びユーザー調査2021」より筆者作成)


構造転換を進めるTSUTAYA・ゲオ

 レンタルビデオ業界の2大勢力、TSUTAYAとゲオは、当然ながらコンテンツビジネスがネットの世界に移行することは当然織り込み済みなので、それぞれ新たなビジネスモデルへの移行を前々から進めていた。

 TSUTAYAはTポイントカードをベースとしたデータベースマーケティング事業を進める一方、ゲオは自社の中古販売ビジネスを横展開する形で業態転換を進めてきた。

 このように、新たな勝ち筋を求め転換を進めてきた両社だが、明暗が分かれているようだ。地道ながら業態転換を進めてきたゲオは、レンタルビデオ事業縮小の影響をカバーできるほどの新事業を育てることに成功している。

 一方、データビジネスのプラットフォーマーになるとの期待もあったTSUTAYAのTポイント事業は、いくつかの壁にぶつかっているようだ。

【次ページ】どのくらい儲かってる?ゲオの新事業が好調な理由

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