本記事は、桑野麻衣氏の著書『「また会いたい!」と言われる 一流の話し方』(明日香出版社)の中から一部を抜粋・編集しています。
×自分の話ばかりする
△相手の話を聞くことに徹する
→ ○相手に質問を投げかける
初対面から相手に自分のことを覚えてもらいたいと思うと、人はつい自分のことを話しがちです。限られた時間の中で「自分のことを知ってもらわなきゃ、印象に残らなきゃ」と焦ってしまうのです。しかし、それによって相手の記憶に残ることができたとしても、「自分の話ばかりする人だったな」という印象で覚えられてしまいます。
本来、人は自分自身に最も関心があり、自分の話を聞いてもらいたい生き物です。話をさせてくれない人よりも、自分の話をよく聞いてくれる人に良い印象を持ちます。まずは相手から「私の話を聞いてくれそうだな」と思われることが大切です。
ただ、一流はさらに「相手に自分を覚えてもらう」ところを目指しています。そのためにはただ「自分の話を聞いてくれた人」という印象に留まらず、その一歩先に進むことが理想です。相手への興味や関心が、より伝わる必要があるのです。
一流の人は話を聞きながら、質問をよく投げかけてくれます。会話をしているとあいづちだけではなく、「〇〇さんの考え方にとても興味を持ちました! 〇〇さんの学生時代の話を聞いても良いですか?」「その時、〇〇さんは相手に何と答えたのですか?」と要所要所で質問をしてくれるのです。「あなたのことをもっと知りたい」という心が形になっているのですね。結果として、非常に心地の良い空間を作ってくれるので、こちらも自然と「相手のことも知りたい」という感情が生まれます。
自分のことをよく知ろうとしてくれた人に対して、こちらもその人のことを知りたいと思うのはごく自然なことなのです。
「覚えてもらおう」では、心は動かない
気をつけていただきたいのは、自分を覚えてもらうことを最大の目的として、相手に質問をしないことです。そのような下心は思っている以上に簡単に見破られます。あなたが相手に関心を持ち、相手の話をよく聞き、質問をすることで居心地の良い空間を築けたかどうかがポイントです。
『北風と太陽』の話は聞いたことがあるでしょうか? 北風と太陽が旅人のコートをどちらが脱がせられるかを競い、物事へ働きかける方法の違いを表現した童話です。
この話では太陽が勝つわけですが、大切なことは旅人が「自ら」コートを脱いだ点です。
人は誰かに無理に何かを強制される限り、積極的に行動することはありません。「自らが~したい」と思えない限りは、なかなか行動できないものなのです。
相手に自分のことを覚えてもらいたい時にも、同じことが言えます。「覚えさせよう」と無理に行動しても、良い結果は得られません。相手自らがあなたのことを「覚えたい」と思ってもらえる関係を目指しましょう。
- POINT
- 心地の良い空間は、相手に関心を持つことからはじまる
×「失礼しました」と別れの挨拶のみ言う
△「楽しかった」と自分の気持ちを伝える
→○相手の話したことを引用する
あなたはこれまでに、初対面の時から「また会いたい」と思えた人はいますか?
初対面では「第一印象」が大切だとよく言われます。しかし、初対面の時から「また会いたい」と思われる人は、別れ際にも工夫していることがあります。
「終わりよければすべてよし」と言われるように、実は最初の印象と同じくらい最後の印象も強く残ります。人は何か判断を下す時、最後に得た情報が大きく影響すると言われていて、この効果を心理学の言葉では「親近効果」や「残存効果」とも呼びます。映画やミュージカルなどを観た時にも、衝撃的なラストシーンやエンディングが記憶に残ることがありますよね。
実際に、別れ際にどのような言葉を残す人が「また会いたい」人となるのでしょうか。
「では失礼します。ありがとうございました」と、別れの挨拶のみでは足りません。そこでよく使われるようになったのが、「楽しかったです」と自分の感情を伝える方法です。デートの後のメールなど、恋愛テクニックとしてもよく使われていますよね。楽しいという感情が本物であれば、満面の笑みで伝えているはずですから効果は絶大です。感情を一言プラスされるだけでも、こちらも嬉しい気持ちになり、好印象が残ります。
記憶に残ることのできる別れ際の一言
ここからは、さらに記憶に残ることのできる話し方を紹介します。
一流の人は別れ際に、その日の会話の中から一部を引用して伝えています。「楽しかったです。ありがとうございました!」に加え、「今日、○○さんのおっしゃっていた□□(お店の名前)今度行ってみますね!」と伝えるのです。少し応用したものでは「今日の○○さんからの~というアドバイス、心に響きました。まず~から実践してみます! また進捗を伝えさせてください」というような一言を添えるのもおすすめです。相手の会話を記憶していること、相手の意見を大切にし受け入れていることが伝わります。
社内コミュニケーションにおいても同じことが言えます。
休み前の退勤の際に「お先に失礼いたします」と言った後、上司から「お疲れさまでした」と言われるよりも、「○○さん、今週すごくがんばっていたから週末はしっかり休んでね」なんて一言が加わると嬉しいですよね。会話だけでなく、相手の行動を記憶していることが伝わります。
ぜひ別れ際の一言までこだわってみてください。
- POINT
- 相手の会話を記憶し、別れ際に一言添えることで、相手の記憶に残ることができる
![=「また会いたい!」と言われる 一流の話し方](https://cdn.zuuonline.com/352/500/KWjrmuCeBZAglZTnGQxTTmikXAlrBier/c2f72c86-061c-4c1f-87f5-d37a775580af.jpg)
桑野麻衣
あなたの心に火をつける!人材育成・コミュニケーション教育者
1984年埼玉県生まれ。学習院大学卒業後、全日本空輸株式会社(ANA)に入社。グランドスタッフとして、7年間で100万人を超えるお客様サービスに携わる。最重要顧客DIAMOND会員専用カウンターのサービス責任者、教育訓練インストラクターを務める。ANA在籍中、オリエンタルランドに出向し、ディズニーのサービスや教育を学ぶ。その後ジャパネットたかたや再春館製薬所グループ企業にて教育研修を担当し、独立。現在では、コミュニケーション、リーダーシップ、接遇マナー等をテーマに新入社員から管理職、中学生から経営者、医療業界など幅広い層に向けて、企業研修や講演を行い、これまでの受講者は50000名を超える。
著書には『好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』『部下を元気にする、上司の話し方』『オンラインでも好かれる人・信頼される人の話し方』(以上、クロスメディア・パブリッシング)がある。『PRESIDENT』『AERA』『with』『MORE』『CLASSY.』『Oggi』『美人百花』などメディア出演も多数。
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