Search This Blog

AI翻訳で英語の壁が消失、「グローバルなビジネス」が日常に - ITpro

キヤリア世代こそ改めよ!「ビジネスコミュニケーション」の新常識(5)

西原勇介

ディレクトリジャパン代表取締役

全2735文字

『それでは伝わらない!ビジネスコミュニケーション新常識 デジタルグローバルな作法は若者に学べ』

『それでは伝わらない!ビジネスコミュニケーション新常識 デジタルグローバルな作法は若者に学べ』

 キャリアパーソン世代が身に付けてきた「ビジネスコミュニケーションの常識」がいま大きく変わりつつあります。ビジネス現場で使うデジタルツールの進化やグルーバル化の急速な進展などいくつかの要因により、みなさんの常識はもう古くて不適切になっているのです。本連載では書籍『それでは伝わらない!ビジネスコミュニケーション新常識』(2022年8月、日経BP発行)を基に、ビジネスコミュニケーションの常識がどのように変わってきているのかを、その背景を整理してお届けします。今回のテーマは英語です。(技術プロダクツユニットクロスメディア編集部)

 唐突ですが、次に示す2つの文章を読んでみてください。

文1

「本仕様に関しては、10月21日付の質疑応答シートにてご回答いただいた内容の通り、設計案2を適用する形で実装を進めています。

現時点で仕様を変更する場合には、手戻りが発生するため、スケジュールは遅延する可能性が高いです。」

文2

「この仕様については、10月21日付のQ&Aシートでのご回答の通り、設計案2を適用する形で実装を進めています。

このまま仕様を変更すると、手戻りでスケジュールが遅れる可能性が高くなります。」

この2つの文章は明らかに同じ内容です。実は、「文1」は筆者が書いた文章で、「文2」はAIが(人工知能)書いた文章です。

文2がどのようにして作られたのか、順に説明します。まず、筆者が「文1」を書き、それをAIで英訳(次に示す「文3」)し、それをさらにAIで和訳したのが「文2」です。一昔前の翻訳ソフトではいかにも直訳したような文章になっていましたが、文2の内容をじっくり見てみると、AIの意味理解レベルと作成する文章のクオリティーの高さに恐ろしさすら覚えます。

文3

As for this specification, we are proceeding with implementation in the form of applying Design Proposal 2, as per your response in the Q&A sheet dated October 21.

If the specifications are changed at this time, it is highly likely that the schedule will be delayed due to rework.

 文1にある「質疑応答シート」は、英訳にて「Q&A sheet」とされ、その和訳にて「Q&Aシート」と自然な日本語になっています。また、文1にある「手戻りが発生」は、英訳にて「due to rework(直訳すると「手直しするために」)」とされ、その和訳にて「手戻りで」とこれも自然な日本語になっています。最近のAI翻訳は、人間が作成したものとしか考えられないくらい違和感のない文章です。

 さらに驚くのが、文1で「現時点で」と書いた部分が、文2で「このまま」となっている点です。違った表現になっていますが、文3の英語文では「at this time(直訳すると「現時点で」)」となっているため、AIは意図的に「このまま」としたと考えられます。おそらくですが、AIは文脈から相手方が変更を希望している背景を想定し、「このまま仕様を変更すると」という文章にしていると解釈できるのです。

 筆者が書いた文1より、AIが書いた文2の方がより短く簡潔で分かりやすい、とも言えるのではないでしょうか。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( AI翻訳で英語の壁が消失、「グローバルなビジネス」が日常に - ITpro )
https://ift.tt/9zX4aJx


Bagikan Berita Ini

0 Response to "AI翻訳で英語の壁が消失、「グローバルなビジネス」が日常に - ITpro"

Post a Comment

Powered by Blogger.