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ソーシャルビジネスとは? 社会課題解決に貢献する事例を研究 - 日経ビジネスオンライン

ビジネスの手法で社会課題の解決を目指すソーシャルビジネス。国際的なSDGs(環境・社会・企業統治)への関心を背景に官民の注目を集めている。日本からもさまざまな企業や起業家がソーシャルビジネスに取り組んでいるが、今回はそうした事例を過去の記事からピックアップしていく。

世界の社会課題に取り組む「ソーシャルビジネス」

 ソーシャルビジネスとは、さまざまな社会課題の解決を目指すビジネスのことを指す。もともとはバングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス博士が提唱した概念で、現在、国際的なSDGsへの関心や取り組みを背景として世界中に広まっている。

 経済産業省によると以下の3つの要素をすべて含む活動がソーシャルビジネスに当てはまるという。

  • ①社会性:現在解決が求められる社会的課題に取り組むことを事業活動のミッションとすること。
  • ②事業性:ミッションをビジネスの形に表し、継続的に事業活動を進めていくこと。
  • ③革新性:新しい社会的商品・サービスや、それを提供するための仕組みを開発したり、活用し たりすること。また、その活動が社会に広がることを通して、新しい社会的価値を創出すること。

※経済産業省『ソーシャルビジネス研究会報告書』(平成20年4月)より引用

 日本でもすでに多くの企業や起業家がソーシャルビジネスに取り組んでいる。この記事ではそうした事例を中心に過去記事を振り返っていく。

味の素、ガーナで挑むグローバル化への最終関門

 グローバル企業を目指す味の素は、ソーシャルビジネスとして「ガーナ栄養改善プロジェクト」に取り組んでいる。プロジェクトのミッションは「乳児の栄養不足からくる発達遅延」というガーナの社会課題を解決するため、低価格の粉末サプリメントを開発・販売するというものだ。

 加えてこのプロジェクトには現地の女性起業家たちも加わっており、「女性がほぼ一人で一家を支える」というガーナ人の意識改革と、女性の社会進出も促しているという。

「これからもバングラデシュに行きますよ」

 浄水器を手掛ける日本ベーシック(川崎市)は、発展途上国で電力不要の「自転車一体型浄水装置」を販売している。もともと災害時への備えとして国内の自治体に売り込んでいた製品だ。同社では単に製品を輸出販売するだけでなく、現地生産の可能性を探ったり、現地の自転車型タクシーの運転手が自転車一体型浄水器を漕ぎ、作った水を売ったりするなどの試行錯誤を続けている。

難聴者に福音、聞きやすい「ミライスピーカー」

 音響機器の製造販売を手がけるサウンドファン(東京・台東)が開発したのは、難聴者にも聞こえやすい「ミライスピーカー」。蓄音機の仕組みを参考に開発された同製品は、2016年4月に三菱東京UFJ銀行主催のビジネスコンテストでソーシャルビジネス部門の最優秀企業賞を獲得した。

 ミライスピーカーは高齢者施設などをはじめ、銀行などにも採用されている。金融関連機器の販売会社やハウスメーカーとの販売代理店契約も相次ぎ、2017年以降は海外販売にも乗り出す予定だ(当時)。

和歌山の山村に外国人観光客が急増するワケ

 紀伊半島の南西部に位置する和歌山県田辺市上秋津地区は、国や自治体からの補助金に頼らず、農業と地域の活性化に成功した事例として注目を集めている。

 成功の背景にあるのは「早くから地域でソーシャルビジネスを実践」したことだ。この地域では地区の農家と住民489人が出資して設立した農業法人、秋津野(田辺市)と、同じく住民31人が出資して立ち上げた、きてら(同)を通し、自主的な農業関連事業を営んできたという。

福島は「逆転成功モデル」になる

 震災・津波と原発事故の被災地・福島では逆境を逆手に、地域課題の解決を目指したさまざまな取り組みが行われている。農家の人手不足解消を目指したドローンによる農薬散布試験や、復興関連の出張者や避難住民の一時帰還の際に使えるホテル、地元の特産品を活用するためのプリンや納豆の製造販売などはその一例だ。

よしもとの芸人が高齢化問題に本気で挑んだら

 「SDGs-1グランプリ」を開催する吉本興業。本業の「お笑い」で社会課題への関心を高めると同時に、ソーシャルビジネスを通した社会課題の解決も目指している。

 そのための重要なツールとなっているのが、2011年から実施している「あなたの街に“住みます”プロジェクト」や、2018年にソーシャルビジネスの提唱者、ムハマド・ユヌス氏と提携して立ち上げた新会社「ユヌス・よしもとソーシャルアクション」だ。

最後に

 国際的に注目を集めるソーシャルビジネス。日本でも大企業から個人起業家まで、さまざまな人たちが国内外の社会課題解決を目指して活発な活動を続けている。これからもこうした取り組みに注目するとともに、私たち一人ひとりが身近にある社会課題を敏感に感じ取れる感性を磨いていきたい。

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