Search This Blog

DELL Dream Tech Contest 女性起業家が未来をひらく - Nikkei Business Publications

起業家がビジネスを始める際に必要になる3つのリソースが、「資金調達」「人脈」「ネットワークを広げる場所」だ。デル・テクノロジーズは、このような課題に対して女性起業家をグローバルに支援する「DWEN(Dell Women’s Entrepreneur Network)」を2009年から進めてきた。これまで日本でも他組織との協業でその輪を広げてきたが、今年は同社主催のビジネスコンテストを開催し、大きく飛躍させようとしている。その概要と狙いについて、デル・テクノロジーズでコンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 部長を務める横塚知子さんに、日経BP 総合研究所 主席研究員の小林暢子が聞いた。

起業家が直面しやすい3つの課題とは?
2009年から女性起業家をグローバルに支援

小林  「DWEN(Dell Women’s Entrepreneur Network)」の概要について教えてください。IT企業であるデル・テクノロジーズが、なぜ女性起業家をサポートする活動を推進しているのでしょうか。

デル・テクノロジーズ
コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 部長
横塚 知子氏

横塚  DWEN は、米国本社が2009年にスタートさせた女性起業家のためのネットワークです。女性起業家のビジネスを支援し、成長に必要な情報やリソースへのアクセスを提供しています。前年の2008年にリーマンショックが起き、そのどん底から米国経済を立て直す原動力となったのは起業家たちでした。しかし起業家への投資額を男女比で見たところ、女性起業家への投資額は全体の5%以下と極端に少なかったのです。

人口の約半数は女性なのですから、本来はもっと多くてよいはずです。デル・テクノロジーズは女性起業家が今後より活躍できる「伸びしろ」にいち早く気づき、彼女たちを支援する活動に大きな将来性を見出したわけです。女性起業家を支援し、その力を社会課題の解決に生かせば、世界はもっと良くなるはず。そうした思いから、DWENはスタートしました。

DWENの活動を通じて、デル・テクノロジーズはスタートアップ企業の相談相手となり、IT面を支援する良きパートナーになりたいと考えています。起業家を支援することで1社でも多くの企業が成功すれば、その成長とともに当社のビジネスも成長できるからです。

日経BP 総合研究所
主席研究員
小林 暢子

小林  起業家が苦労しやすいポイントというのは、どんな点にあるとお考えですか。

横塚  多くの起業家が直面しやすい大きな課題は3つあります。第1が「資金調達」です。起業家を対象とした多数の調査結果を見ても、資金調達の課題は非常に大きいことがわかっています。第2は「人脈」です。スタートアップの段階では、事業に必要な人脈はありませんし、それを広げられるような環境も手段もありません。

第3が「ネットワークを広げる場所」です。起業家は孤独になってしまうケースが多いのですが、同じ悩みや課題を抱える仲間と出会える場所がなかなかないのですね。起業家や経営者のコミュニティはありますが、まだビジネスが立ち上がっていない段階で、自分がそうしたコミュニティに入ってよいのかどうか悩む人が多いです。

全世界8万人以上が参加する起業家ネットワーク
IT活用をサポートするのはデル・テクノロジーズのアドバイザー

小林  DWENでは、主にどのような活動をされているのでしょうか。

横塚  女性起業家がグローバルに交流できる場を提供しています。例えば年に1度、「グローバルサミット」を開催しています。2010年に中国の上海で最初のサミットを開催してから、2011年はブラジルのリオデジャネイロ、2012年はインドのニューデリーという形で、場所を変えて毎年開催してきました。

■2010-2019 グローバルの主なイベント
年1回の「グローバルサミット」をはじめとして、これまでDWENは女性起業家がグローバルに交流できる様々な場を提供してきた

コロナ禍の影響で、2019年のシンガポールを最後にリアルでのサミット開催はお休みしていますが、2020年にDWEN.comを立ち上げ、オンラインでのコミュニケーションを強化しました。また、グローバルサミットもオンラインに進化し引き続き開催しています。DWENは2022年1月までに世界で約8万3000人が参加するネットワークに成長し、日本からも約100人ほどの女性起業家が参加しています。

リアル開催していたころのグローバルサミットには、日本のDWENのメンバーの中から多い年では10人ほど参加していただいてきました。参加費は無料ですが、渡航費は個人負担です。費用を出しても参加したい人、つまりプログラムの価値を理解している人に参加していただきたいと願うからです。

小林  IT企業であるデル・テクノロジーズならではの起業化支援の特徴や特色といったものは、どのような点に見られるのでしょうか。

横塚  あらゆるビジネスにITが活用されている時代です。ITを駆使しない起業というのは、考えにくいと思います。デル・テクノロジーズは世界的に見てもIT分野のリーディングカンパニーですから、DWENでもITの新たな潮流を創出していこうとしています。

PCやサーバーといった具体的な機材や技術の面で起業家を支援しているだけでなく、必要なITの仕組みやITの理想的な活用法を起業家と一緒に考えています。今後とも、農業や医療などあらゆる産業分野で進んでいるIT活用のベストプラクティスや世界的な潮流、新たなビジネス機会などの情報を共有し、当社にしかできない大きな役割を担っていきたい考えです。

小林  DWENに参加している方々の企業やビジネスは、どれくらいの規模が多いでしょうか。また、参加されている方々のIT知識の状態はいかがですか。

横塚  DWENへの参加に規模の制限は全くありませんが、比較的小規模な企業が多いですね。従業員数で言えば、99人以下の企業規模になります。

また、IT分野に詳しい方は少なく、IT専任の部門を持たない企業が多数を占めていることが弊社の調査の結果でも分かっています。新入社員の方に新しいPCを用意したり、必要なIT環境を整備したりする役目を担っている方はいますが、多くが他業務と兼務されている状態だと思います。PCの最新トレンドや、担当される業務にどれくらいのスペックのPCが必要になるかといったことを把握できている人はあまりいません。

そうした面を支援するため、デル・テクノロジーズのアドバイザーが各企業の状況や要望を丁寧にうかがい、許容される価格の範囲でベストなスペックを備えるPCやIT機器の選定を支援しています。これはDWENへの参加者に限定したものではなく、あらゆるお客様に対して行っています。デル・テクノロジーズは、PCに限らずサーバーや周辺機器などを広範囲にカバーしていますので、実効性の高いアドバイスが可能です。

起業マインドが高まっている今が好機
ビジネスコンテストで国内の認知度向上

小林  日本のDWENは、どのように活動されてきたのでしょうか。また、今年はどのような点に力を入れていかれるお考えですか。

横塚  日本ではこれまで、当社と同じ目的を持つ外部の組織やプロジェクトへの支援や協業をメインに進めてきました。例えば、2018年から東京都の女性ベンチャー促進事業「APT Women」への支援を始めています。そこでは、「APT Women」が進める国内および海外におけるプログラムにおいて、イベントの企画や運営をDWENがサポートしています。今年1月には、第6期としてシンガポールでのプログラムをオンラインで実現しました。

また昨年は、EYジャパン(東京・千代田)と共同で女性起業家育成プロジェクト「DWEN x EY Support & Innovation Pitch」を開催しています。これは、女性起業家を対象とするビジネスプランのコンテストです。

こうした活動を経て、今年は当社主導で「DWEN Dream Tech ビジネスコンテスト 2022」を開催します。これはDWENに参加する女性起業家を対象とした、ビジネスプランやアイデアのコンテストです。入賞者に選ばれた3人には、副賞として総額700万円相当のデル・テクノロジーズ製品を贈呈します。

今年、当社主導で大きなコンテストを開催することにした背景には、昨年から国内での起業件数が増え、起業マインドが高まっている点があります。2021年に新しく設立された法人数は14万4622社で、2019年以来2年ぶりに前年を上回りました(2021年「全国新設法人動向」調査:東京商工リサーチ)。国際的に見て「女性起業家の数が少ない」と言われる日本ですが、起業マインドが向上している今こそ、DWENの活動を本格的に推し進めるべき時期が来たと判断したわけです。

まずは、DWENの日本での認知度を向上させる必要があります。2009年に米国で始まり、グローバルで輝かしい実績を積み上げてきたDWENの取り組みを、日本の方々にもよく知っていただき、ぜひこの仕組みを活用してもらいたい。それが今回のコンテストの大きな目標の1つになっています。

小林  この日本でDWENをメジャーな活動に押し上げていく好機が来ているのですね。女性起業家を支援するグローバルな取り組みは、そう多くはありませんし、デル・テクノロジーズのようなIT企業が推進しているという点でも、DWENは非常にユニークな試みだと感じています。

前編では、DWENの概要について伺いました。後編は、DWENが今年開催するビジネスプランのコンテスト「DWEN Dream Tech ビジネスコンテスト 2022」について詳しく伺います。

近日公開予定:後編

デル・テクノロジーズ コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 部長 横塚知子さんに聞く

起業を目指す女性を広く支援するイベント
「DWEN Dream Tech ビジネスコンテスト 2022」開催へ

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( DELL Dream Tech Contest 女性起業家が未来をひらく - Nikkei Business Publications )
https://ift.tt/mevwX91


Bagikan Berita Ini

0 Response to "DELL Dream Tech Contest 女性起業家が未来をひらく - Nikkei Business Publications"

Post a Comment

Powered by Blogger.